秋の特集記事

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宮国大綱引き

宮古島の旧盆は、先祖をお迎えして、にぎやかに送り出す。その送り出しの夜に、上野の宮国集落で繰り広げられるのが「宮国大綱引き」です。

住民の間では300〜400年続いているといわれているこの行事、宮古島市の無形民俗文化財にも指定されています。観光客が「たまたま見た」だけで忘れられない夜になる、そういう祭りです。

綱は、買うのではなく、つくる

この大綱引きがほかと違うのは、綱そのものから手づくりであることです。

「ツナシードゥ」と呼ばれる宮国集落の中学2年生の子どもたちが「キャーン(和名:シイノキカズラ)」という植物を山から採取し、綱づくりが行われます。沖縄本島で見かけるような黄金色の綱ではなく、草木を束ねたような少し緑がかった綱に仕上がります。

夜に向けて午後2時ごろから青年会を中心につる草を編む作業が始まり、東の雄綱、西の雌綱が完成します。中学生が山に入り、青年会が編む。その日の昼過ぎから集落全体が動き出すのです。

東が勝てば豊作、西が勝てば豊漁

日が落ちた午後8時ごろ、いよいよ綱引きが始まります。

「西里(いすざと)」と「東里(あがすざと)」に分かれて綱を引き、先に2勝した方が勝ちとなります。「東里」が勝つと豊作、「西里」が勝つと豊漁とされています。どちらが勝っても島の恵みへの祈りが込められていて、結果が出た瞬間の歓声はひときわ大きい。

綱引き終了後は先端部分が切断され、東西の御嶽(ウタキ)に奉納されます。勝負の道具だった綱が、最後は神様への捧げ物になる。そこに、この行事の本質があります。

綱引きのあとが、また熱い

綱引きが終わっても、夜はまだ続きます。

綱引きの後は若者たちによる押し合い「デーロイ」が行われ、その後は住民が輪になって踊る「クイチャー」へ。歌と足踏みのリズムが夜更けまで響き渡ります。

宮国のクイチャーは、女の歌には男が、男の歌には女がそれぞれ交互に踊るという特徴を持ちます。輪の中に地域の人も帰省した家族も観光客も、気づけば一緒になって踊っている。言葉がわからなくても、リズムと熱気が体を動かします。

旧盆の「送り日」に合わせて行われる

毎年、旧盆最終日の「送り日」に行われます。旧暦なので新暦では年によって8月下旬から9月上旬ごろに当たります。旅の日程がこの時期と重なるなら、ぜひ夜の宮国へ。

会場は宮国公民館前の大通り。宮古島南部の上野エリアにあり、中心部の平良からは車で20分ほどです。駐車スペースは限られるので、早めに近くに停めて歩いて向かうのが無難です。

日が暮れてから始まり、クイチャーが夜更けまで続く。翌日に疲れを残してもいい夜です。

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