秋の特集記事

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伊良部トーガニまつり 伊良部観光協会

伊良部大橋を渡った先の島に、秋になると三線の音が響く夜があります。

毎年9月から10月、伊良部島で開催される「伊良部トーガニまつり」は、子どもからお年寄りまで参加する島の一大イベントです。といっても、ステージで派手なショーが繰り広げられるわけじゃない。伊良部島に受け継がれてきた伝統民謡を歌って競い合う、静かで熱い夜です。

「トーガニ」って、何者?

まつりの名前になっている「トーガニ(唐金)」は人の名前です。

推定500〜600年前に伊良部島に実在した歌の名手で、彼が歌っていた叙情歌がそのまま「伊良部トーガニ」という民謡の名前になりました。歌の内容は男女が相手を思いながら即興で歌詞を作りやりとりする恋歌で、三線の音色に乗せて歌われます。名前も知らない誰かが500年前に紡いだ言葉が、今も島で歌い継がれている。それだけで、ちょっと胸が動きます。

3つの部門、それぞれの違い

まつりでは「伊良部トーガニ」「トーガニアヤグ」「島タウガニ」の3部門で歌が披露されます。出演者は声量、音程、発声、情感、態度などをもとに得点を競い合います。

「トーガニアヤグ」の「アヤグ」とは宮古島の方言で「唄」を意味し、三線を弾きながら歌われる祝いの歌で、祝宴の冒頭に披露されます。「島タウガニ」は「伊良部トーガニ」よりも古くから伝えられ、三線の演奏はなく生の声で歌い上げます。

とくに「島タウガニ」は、10人の歌い手がいれば10通りの歌が生まれるという即興性が最大の魅力で、歌い手の感性と技術がそのまま舞台に現れます。楽器なし、歌詞も自由。それで勝負する潔さが、見ていて気持ちいい。

オープニングは子どもたちの合唱から

まつりのオープニングでは、伊良部島の子どもたちによる伊良部トーガニの合唱が行われます。大人が競い合うための歌を、子どもたちがまず全員で歌う。その光景を見るだけで、この島がこの民謡をどれだけ大切にしてきたかが伝わってきます。

出場者は着物姿で舞台に立ち、祭りの格式と伝統的な雰囲気を保ちながら自由な即興性を発揮します。地元だけでなく沖縄本島や他県からも参加者が集まるようになっており、伊良部島の民謡が島を越えて愛されていることがわかります。

伊良部大橋を渡って、夕方から

会場は佐良浜スポーツセンター。宮古島から伊良部大橋を渡り、伊良部島の北部へ向かいます。橋を渡るだけで景色が変わり、島の空気が少し違う。それだけで旅の気分が高まります。

開演は夕方17時30分ごろから21時ごろまでが例年の流れです。宮古島のホテルを拠点に、日帰りで行って帰ってくるのに無理のない距離感。夜の島の空気の中で聞く三線は、昼間の青い海とはまた違う宮古島の顔です。

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