秋の特集記事

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なりやまあやぐまつり

10月の宮古島に、一年でいちばん静かで、いちばん心に刺さる夜がやってきます。

「なりやまあやぐまつり」。宮古島南部の城辺(ぐすくべ)・友利(ともり)集落が舞台のこの祭りは、インギャーマリンガーデンの海上ステージに約1200本の灯籠と月あかりの中、三線の音色に乗せて歌われます。写真で見ても息を呑む光景ですが、実際に立ち会った人が口をそろえて言うのは「写真じゃ伝わらない」という言葉です。

「なりやまあやぐ」って、どんな歌?

「なりやまあやぐ」は妻が夫を諭す教訓歌として古い昔から伝わる民謡で、宮古では知らない人がいないポピュラーな歌です。

歌の意味は、いつも通っている山だからといって甘く見てはいけない、馬に乗るときは用心して手綱をゆるめないように、女のひとの家に行くときも心をゆるめないようにしなさい、というもの。慣れ親しんだものほど、油断は禁物だという人生訓が、三線の音に乗って静かに語りかけてきます。

1日の流れ、朝から夜まで

朝7時の安全祈願祭から始まり、8時に歌碑前でなりやまあやぐが奉納されます。昼間は一般の部の予選会が行われ、夕方17時に獅子舞で座開き。子どもの部の大会を経て、18時30分からいよいよ大人の部の本選が始まります。最後は花火が上がって21時に閉会します。

夜の本選では、海上に設えた特設舞台で出場者が一人ずつ三線を弾きながら歌います。明るい時間帯の予選、そして本選の夜には展望台まで続く約1200本の灯籠と月あかりの中、民謡が響き渡る幻想的な空気が広がります。

灯籠は、前日から手づくりされる

あの幻想的な光景の裏側に、前日からの仕込みがあります。当日の朝から約1200本もの灯籠を作成し、展望台から海上ステージまでの遊歩道に設置していくのは、地域の青年会や集まったボランティアたちの仕事です。灯籠ひとつひとつに人の手がかかっていると知ると、あの光がまた違って見えます。

インギャーマリンガーデンという場所

会場のインギャーマリンガーデンは、宮古島の南部・城辺エリアにある自然の入り江です。変化に富んだ海岸線が続き、遊歩道や公園もあり、展望台からは美しい海岸線を見渡すことができます。昼間はシュノーケリングやダイビングのスポットとして知られる場所が、夜になると灯籠の光に包まれ、まったく別の顔を見せます。

宮古空港から車で約20分。観光客が多い市街地や前浜ビーチからは少し離れますが、それだけ「来た人だけが知っている」感がある夜です。

毎年10月の日曜日に開催されます。旅の日程をこの時期に合わせる価値が、十分にあると思います。

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